「今時の若者は欲がない」とよく耳にします。

例えば、20~30代の飲酒習慣率は約20年前と比べて半分ほどに低下し、若者の意識や価値観の変化が伺えます。

こうした中で、20代男女を対象にした2022年度の「出世欲」に関する調査では、出世したくない人の割合が約77%でした。

そして、出世したくない一番の理由は、ワークライフバランスの重視でした。

このような若者の意識調査結果が出る度に批判的な反応が出ますが、そんなに悲観的になる必要はないのではないでしょうか。

なぜなら、今から15年前の大学生への「就職希望企業調査」では、出世したい男子学生が約32%、女子学生が約14%と、若者の意識は今と変わっていません。

つまり、現在管理職に就任している人も、新人や若い頃に日々出世の事を意識していた訳ではないのです。

また、ある研究結果によると、私生活の充実感や幸福度は仕事の集中力を高めるとも言われています。

日本はバブル崩壊以降、長い低迷期が続きましたが、「当時の若者」の支えがあったからこそ、今でも世界有数の豊かな国であります。

日本の将来も「今時の若者」が大きなカギを握っているのではないでしょうか。