行動経済学と聞くと、何を思い浮かべますか?もしかしたら、あまりなじみがないかもしれません。

経済学なので数字や論理に基づいていますが、実際は心理学の要素も強いです。

分かりやすい例を1つ。

ある保育所で、子供のお迎えに遅刻してくる保護者が多く、問題になっていました。

そこで保育所は、これを抑制する為に遅刻に対する罰金制度を導入しました。

その結果は・・・遅刻する保護者は全く減らず、逆に遅刻の頻度が増えていきました。

これは、通常は遅刻をして関係者に迷惑をかけてはいけないという社会規範がブレーキをかけるのですが、社会規範に基づいた考えから、「お金さえ払えば遅刻しても良い」という経済規範に、保護者の考えが切り替わったことにより、遅刻に対する罪悪感が軽減したからだと考えられるそうです。

そしてさらに注目すべき結果は、この後罰金制度を廃止して元のルールに戻しても、遅刻の頻度は減らなかった事。

これは、人間は一度考えを経済規範側に切り替えてしまうと、それを社会規範に基づく行動に戻すことは簡単には出来ないということです。

次回は、行動経済学をどうビジネスに取り入れるかについてお話させて頂きます。