前回の配信でお伝えしたように、家計金融資産における現預金の割合が高い点が注目されていますが、実はもう1つ注目すべき数字があります。

これは特に最近の傾向ですが、海外部門による日本国債の保有比率が、10年前の約7%に比べて現在は約13%と着実に高まっています。

現在、日本国債の保有者シェアは、中央銀行の約44%、保険・年金基金の約20%、預金取扱機関の約14%と続いており、なんと海外部門が預金取扱機関を追い抜きそうな勢いなんですね。

財務省は国債の安定消化を目指し保有者層の多様化を図るために、海外に日本国債のアピールをしてきました。近年の海外部門の保有者シェアの上昇は保有者層の多様化が着実に進んできた証拠ですが、その反面で国債市場が不安定化するリスクも高まってきます。

これまでは巨額の財政赤字があっても、日本国債の海外保有比率が低く自国内で消費できると言われてきましたが、海外保有比率が20%を超えてしまうと価格が急落して金利が急上昇する恐れがあるとも言われています。

日本の財政赤字が続く限り、海外部門の日本国債の保有比率には注視しておく必要がありますね。