2021年12月末時点の資金循環統計で、家計(個人)の金融資産が初めて2,000兆円を突破したと、先日の日銀からの発表にありました。

これは、新型コロナウイルス感染抑制のための行動制限措置に加え、加速する円安などの影響による物価上昇により、個人の消費の抑制が続いて現預金が増加したことが要因となっています。

家計金融資産が2,000兆円を突破したことは、ただ一概に喜べることではなく問題は内訳にあり、資産全体の5割以上を占める約1,100兆円が現預金となります。

1,000兆円を始めて突破した1990年から30年あまりで2,000兆円超と倍増した家計金融資産ですが、この30年間、政府の「貯蓄から投資へ」などの掛け声もむなしく、給与は上がらないのにせっせと貯蓄に励み、ほぼゼロ金利で銀行に寝かせておく過度の安全志向の表れで、いわゆる預貯金偏重の金融構造は30年前も今もほとんど変わっていないんですね。

家計金融資産における現預金の占める割合が相変わらず高い点が注目されている一方、実はその裏で密かに上昇している「ある数字」も気になります。

次回は、その「ある数字」による隠れたリスクについて配信させて頂きます。